腐女子の *MEMO to memo

memoという名の魔法のことば。 三十半ば過再デビューの腐女子的memo。TB・コメント大歓迎☆もちろんリンクもお好きにどうぞ。但し、blog内容に関係のないものはこちらで削除いたしますのでご注意を。


さくらにあいたら

――ちょうちょ ちょうちょ 菜の葉にとまれ
   菜の葉にあいたら桜にとまれ さくらの花の栄ゆる御代に
   とまれよあそべ あそべよとまれ――

これっていわゆる童謡「蝶々」の歌詞ですが、これが1番目。実は4番まであるんですよね。しかも、蝶が出てくるのはこの1番だけであとは出てきません。変なの。

それに、桜のまわりで蝶が飛んでるのを見たことがないなあ。


さくらにあいたらさくらにあいたら
(2007/07/02)
古街 キッカ

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ガンコで不器用、しかもナイーブな高校生・神原実はアイドル顔の同級生・松永佑人に密かに恋をしている。でも、松永はつきあう相手をころころ替えて「恋の蝶々」と呼ばれる男。しかもノーマル。けれど恋心を抑えきれなくなったある日、思わず告白してしまい・・・ときめくのをやめたいのにやめられない高校生たちのコンプレックスラブ!


「恋の蝶々」だなんて、70年代どこかで聞いた懐かしの歌謡曲のようです。いまどきこんな呼称されるのは、恥ずかしいような気もします。苦笑。しかも男だし。


以下ネタばれあり↓


BLであって、その中を取り持つのが女性であるということが、まず素直にすごいと思える。でも実際の話、こういうことのほうがリアリティが持てるのはやはり自分と同性だからなのだろうか。

ゲイというマイノリティ派はやはりそのことを隠す人の方が圧倒的に多い。そんな中、味方になる人物というのは順応な対応ができる女性になることが少なくないと思うので余計にそう感じたのだと思うのですね。

無論一概には言えないけれど、この話に登場する沢田雅という女性は見事にそういう役どころを生かしきっている。BLに女性が出ると割りと嫌悪感を抱かせるような役目が多くなりがちだが、この沢田雅はファンさえ出てもおかしくないくらいカッコいい。

中学時代に惚れていた相手が神原だったのだが、ゲイとわかってもなお彼の役に立ちたいと自らカモフラージュ的な彼女役を志願してくれるという潔さ。
神原は悪いと思いつつもその言葉に甘え、ゲイというマイノリティを隠すのだが、だからといって沢田に甘えきっているわけでもない。それは沢田もしかりでそれをネタに言い寄ることはない。この辺の関係性の描き方がとても上手。つきつ離れずの相互関係は、BL界での男女の理想形ともいえるのではないだろうか。

好きになる相手が男である以上、両想いになる確率は低く常に片思いなのだが、それでも恋心を抑えきれなくなる神原の気持ちが痛いほどわかるし。

色々と家庭環境に問題があり、常に人の心(とくに女性)は変わるものだと思っている松永にとって、人を好きになることにたいして重要性を持っていない。すでにこのあたりから神原と松永の価値観の違いを出してくるのだが、だからこそこの恋愛の難しさを浮き彫りにする。


ノーマルである松永を好きになった神原は一度は拒絶されるが、「親友」として接することを条件にもう一度そばにいることを許される。
それは、女性は嘘(心変わり)をつくが、男性ならばどうなんだという松永の身勝手な歩み寄りというか、相手の気持ちを試すような行動の一環なわけなんですね。

それでも素直に喜ぶ神原が本当に切ないです。
恋愛に「許される」という言葉が当たり前のように出てしまうところが、男が男を好きになる厳しさみたいなところがわかってしまう。


常に誠実な神原は、せめて自分がかなうことのない「恋人」というポジションにいる松永の彼女にはうまく付き合って欲しいと願うのです。実に不器用で切ない。

互いに探るような「親友」という名の付き合いの中で、徐々に歩み寄って気持ちを確認していくのですが、その間も二人の良き相談相手が沢田なのです。もう本当に潔く気持ちが良い。

本当に二人には上手くいって欲しい、というよりも色々と辛い思いをしてきた神原には幸せになってほしいと願っているのがひしひしと伝わってきます。それは決して恋心ではなくて、戦友に近いものなんじゃないかな。

好きに性別は関係のないことだと、女性だからだとか男性だからとか、信じる信じない、裏切る裏切らない、そのすべてに気がついた松永が頑固で不器用な神原を受け入れる。

一方的な「信じる」を得たがった松永は、やっと互いに信じ合うことに愛しさや思いやりが芽生えることに気が付ける。

ラストに神原が沢田に問いかけます。

「蝶々の唄は、菜の花に行って桜に行って、最後どこへ?」
「桜の間をフラフラして、唄はそこまでじゃない?」

そして神原は
「なるほど、じゃあ最後は俺ってことで」



これがとても初コミックスとは思えないほどの作品!脱帽です!!

BLというカテゴリでは厳密にいったら違うのかもしれないですが、本当に良い作品だと思います。好きになるということは、こういうことで、甘酸っぱい記憶はこうして作られるんだと、なんだか懐かしくも感じる。
とにかく、脇役である沢田という女性が、これほどまでに素晴らしい役目を担えるストーリー展開がすごい!

少しだけ性格欠陥だった松永がいい男になっていく過程に、神原だけじゃなくちゃんと沢田も影響をしている。

もう本当にいい作品を書く激期待の作家さんです。
ぜひ読んで欲しい!!





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