これの表紙、裏のふたコマに描かれてる牧田がとってもキュートなのですよ。孤高の美男子・安条に抱きついてるんだけど、いいように無視されて本を頭に置かれる台にしてしまってるんだなあ。これだけで萌だっちゅうの。
FC2のamazon差し込み検索で「月のマダム」って入れたら、「マダムX」とかいう雑誌も出てきたよ…表紙もタイトルもかなりマニアックで…ははは。苦笑。
高井戸作品は初になります。すきなタッチなのに、どうして今までスルーしてきたのか謎だわー。
面接の日に出会った社員に一目惚れした牧田。安条は内部監査部署に所属していて、一般社員の牧田とは交流を持とうとしてくれない。ある日、牧田は立ち寄ったバーで安条が描かれた絵を見つける。そしてその絵が「画家の男性が恋人をモデルに描いたものだ」と聞かされて…。大人たちのムーンライト・ラブ・アフェア!
私はどちらかというと描き込み過ぎているよりも、ある程度マイナスしてある画風が好きなのでストライクゾーンに当てはまる作家さんですね。
この受けになる安条というキャラですが、とてもいい。凛とした冷えた美しさがタイトルと相まって更なるツンツンぶりが味わえるのではないかと、読み手の期待感を煽ってくれてます。がしかし、その氷の微笑に垣間見る本来の人間性(所謂そこが「萌」に匹敵するのですが)が、この話の中ではなかなか見せることがない。それにも関わらず、安条がいかに本当は氷のように脆く溶けやすいのかということがこちらに伝わってくる。
それはなぜか。
実は攻めである牧田の存在が、寡黙である安条のキャラの代わりにその攻めの行動と寄せる想いによって、雄弁に語ってくれてるからなのですね。
これはすごいことです。
超クールで冷血漢の受けというのは、大概にして自分からその本来の可愛さだとか人間味みたいなところを
うっかりと見せたりするものですが、この作品に関しては違う。あくまでその受けの温かみを引き出すのは、攻めである牧田なのですね。
だからこそ、攻めの好き好き攻撃が本当に切なくいじらしくて、キュンキュンさせてくれるのです。それに対しても安条はあくまで安条であって、そこで頬を赤らめたりしないのです。
あくまでベッドの上では驚くほど妖艶であるが、それは牧田がそういう風に見せているのであって、安条は安条なんです。
…ここがすごい。あくまで恥じらったり、喜んだり言葉攻めしたりする牧田によって、安条の萌えてる部分が行間というかコマの隙間から伝わってくるのを、読者側が感じ取るのだ。
この戦法は初めて体験したのですが、なんだか痛いトコロにあるスイッチをポチリと何気に押された感満載ですよ。あ、私にこんなとこに萌えるスイッチがあったのねーと。苦笑。
熟練の技に組み敷かれて完敗です(笑。
表題作の他に短編が2本。
「おにいさんといっしょ」同級生のお兄さんに初めて抱くタダならぬ想いに、悩める少年とその想いに気が付いているそのお兄さんのお話。お兄さんがゲイというところが、ミソですな。
少年時代に、あれ?俺っておかしいのかな…とか考える切っ掛けがリアルでしたねえ。
「グッドモーニング」ゲイを自覚している高校生が通学途中の電車の中で知り合う、他学校の男の子を好きになるお話。恋をしたいだけなのに、身体と心のバランスが取れずに「体が勝手に気持ちを追い越していく…」というくだりは、ホントに切なかった。
眼鏡美人はいつの時代も美味しいものだ、と再確認させてもらった一冊でした(笑。
満腹満腹☆

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