秘書とボディガード / 深井結己
Thu.28.02.2008 Posted in BLコミック作家 *は行 深井結己
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(2008/02/27)
深井 結己

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深井先生の新刊です。今回の表紙がいい!! なんだかどこぞのノベルズのようです〜。それこそタイトルもまさにそんなカンジ!昨今のボディガード流行りはBL界をも侵食です。

通常よりも、少しだけ痛さが軽減!?か…な…?(笑。




ってなこといっても、やはり深井ワールドは健在でございます!


ボディガードはあくまで表の顔、実は浮気の内偵、という密命を帯びて選挙戦真っ只中の代議士・庭本聡一陣営に雇われた川端律だったが、そこで庭本とその秘書・春沢和仁がただならぬ関係にあることを示す決定的瞬間を目撃してしまう。密かに春沢に想いを寄せていた川端は、嫉妬と悔しさに煽られるままそのスキャンダルをネタに春沢に自分との関係を強要するのだが、単なる政界の愛欲模様かと思われた二人の関係には余りにもせつない真実が秘められていたのだった―。権謀術渦巻く政治の世界を舞台に愛をつらぬく男たちのいきざまをエモーショナルに描いた表題作他、緻密な心理描写とドラマチックなストーリーテリング冴えわたる傑作5編を収録!!本物の物語がここに!!




…なんだか長い出版社の内容紹介ですね。ま、いっか。

なんとなく深井作品らしくない表紙に別の意味でドキドキでしたよ。なんつったって、薔薇ッスヨ薔薇!今回の表紙は本当にいいわ〜。

ボーディガードの知名度が、あのホイットニーの映画以来のフィーバーっぷりですが、無論その風をBL界が受けないわけがなあーい!というよりも、昔から好んで乱用してますし。腐腐腐。
独特の痛みの上に積み上げた作品づくりに定評のある深井先生ですが、今回のはいつもよりも少しだけ穏やかな雰囲気を持ち合わせた痛みでしたよ。

まあ内容は出版社が出しているあらすじそのものです。スクープ写真さながらの1枚で春沢が庭本を一途に想っていた気持ちを利用して、川端が無理やりに身体だけの関係を結ぶんだけど、互いが互いの心を思いやれない悲しさや切なさが痛いのです。すでに川端も春沢も自分自身を大切にできないでいる状態が、微妙なバランスを取って引き合っている。心のパワーバランスが、はなっから壊れているにも関わらず何も起きないでいられるのは、川端自身の引き際、春沢自身のケジメによる互いの痛みが防波堤になっていたからなんだよね。

でも実際ふたを開けてみれば、それはすべて春沢一人によって作られた防波堤だったことがわかることになる。皮肉にも庭本の早すぎる死によって二人は1年後に再会するんだけど、その死すらもすべて承知の上で春沢は大きな壁となり濁流を防いでいたんだよ。色んな意味でね。再会して初めて川端はことの成り行きを知ることとなるんだけど、その事実が本当に切なくて悲しい。川端に脅されていたにも関わらず、その写真を撮ってくれてありがとうって春沢は言うんだよね。ホント、泣けてくる。

亡くなった庭本は、春沢のことを実の息子のように大切にしていただけだったんだよね。だから、庭本が死んだら自分も死ぬことを厭わないほどに慕ってくれていた春沢が本当に心配だった。そして生前にボディーガードとして一時だけそばにいた川端の正体もそのときの所業もすべて見越して、亡くなる寸前に春沢のことを彼に託す。そして形や方法が違えども、それだけ自分のことを想ってくれていることを知り、春沢は川端と生きていくことを選ぶことになるのですよ。

静かに時が流れていくように、痛みも悲しみも切なさもページごとに流れていくような、そんな愁嘆を帯びたストーリーですが、遠回りした二人に光さす道が見えるようなラストには締め付けられた胸も幾許か緩みます。



他、表題作以外に短編が4編。


「悪い癖」
ヘタレわんこ部下×メガネ上司のリーマンもの。酒は飲んでも飲まれるな(笑。
これ大好き!すっごい可愛いのだよ、二人とも!あの平静を装う上司の蒲生課長が、なんと色っぽいこと!あんな可愛い上司がいたら、私が喰います!(え? でも蒲生課長、受けなのに腕枕するのは課長なのね〜


「神様だけが知っている」
鑑別所上がりの青年×当時の担当調査官
過去の生い立ちが少なからず今の自分を作り上げてるけど、だからといってそれがすべてじゃない。けれど未来がどうなるかなんて、神様にしかわからないんだから、というような話。自分に自信が持てなくなって愛することや愛されることに臆病になってしまったらいけませんね。あと、傷つけてもダメよ。


「ふるる ゆるる」
高校生の後輩×先輩
嗚呼、青春。そりゃいきなり愛し合ってるかい?的なことはできないよ。でも素直になることが互いが幸せにも気持ち良くもなれるのだ。若いってイイね!男子トイレの個室は聖域だねっ!(笑。


「忘れじの唇」
中学三年×家庭教師→大学生×講師
深井作品らしくドロっとした過去からなる復讐劇。ロミジュリのような関係の二人です。とにかく攻めの歩が突出して良い子なんです。この子のお陰で全てが救われるような気がしたよ。やはり純粋な白さに勝るものはこの世にはないんだよね。


作者のあとがきにもありましたが、すべての作品で受けがメガネです!そんだけで萌萌度がup!!あとおまけに各話のショートショートが1Pずつあるんだけど、これがまた萌〜(笑。 可愛いったらありゃしないわよ。

今回の1冊はホント深井作品にしてみたら、絶対に読みやすいです。間違いない。だけど物足りなさは微塵も感じないのでご安心を。あ、ちゃんと表紙も剥がして読んでね。なんせ竹書房さんですから〜



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