Spring has come !
昨日から1泊で東京出張をしていたダンナに此れ幸いと、BL本を部屋中にぶちまけておりましたが、さすがにもうそろそろ新大阪につくとのメールに、慌てて片付けていた森です。ふ〜。
4月も早いモンで、もう半ばまできてしまいました。気がつけばもうじきGWなんですよね…月日は吃驚するほど早く流れていってしまう今日この頃。折角なのでもうすぐ終わる春に引っ掛けたBLをひとつご紹介。
ママも安心の月村本。胸キュンです。
高三にして一家の家事全般を請け負っている大輔は、家族のことを考えると東京へは行けないと地元の大学の推薦をもらったものの、もっと別の人生を選べたはずなのにという鬱屈を溜めていた。ところが駅前の商店街で小さな惣菜屋を営む耕平と出会ったことから…!?表題作のほか、耕平の店でバイトを始めた大輔のその後を描いた書き下ろし「春の嵐」を収録。曇りのち晴れ、恋の季節のTeenage Precious Story。
なんだろ……読んでいてずっとドキドキしてましたよ。すごく懐かしいような、それでいて新鮮で甘酸っぱくて、Long long ago(笑)に感じていたハズの弾む感情に近いかなあ。
高校生にして一家の主夫として家事全般を引き受けている大輔。離婚して出て行った母の代わりに自分を押し殺して妹弟、怪我をしている祖母、無口な父の世話をしているのね。「なんで俺ばかり」という思いを抱えながらも、その生活を手放すことはなかった。自由になりたい、けどなれない。そんなジレンマを持ち、家の呪縛から逃れられずに大学も地元推薦を早々に受けたりしちゃうんだね。
けど根底にある本当の根っこは違うんだよ。本気の思いさえあれば、東京の大学へ行くという選択肢は必ず存在した。それでもなお行かない、行けないという理由を見つけて結局自分で地元を選ぶ。その理由をすべて家族の縛りのせいにしちゃう。自分は家族の面倒をみなければならないから東京に行きたくてもいけない、行きたいけどいかないんだ的な、そんなネガティブさが鬱陶しいのよ。でもさ、そればっかりでもないと思うのよね。結局は17歳の大輔に、「大丈夫だから安心して東京へ行きなさい」と言ってくれる大人もいないという現実自体も問題なんだよね。
そんなある日、地元の商店街の総菜屋で出会った一人の男性・耕平。自分とは正反対なほどに陽気で社交的な耕平とぶつかり合いながらも、段々と本当の自分自身の心の中がクリアになっていくのだ。
すべてが自分の不幸の根源だともいうべきシニカル的な考えは、結構だれでも持つものだと思う。そうは考えながらも実際はそんな我慢を強いられているのは、そのポジションを自分以外では勤まらないという錯覚に甘んじているから。要は他人から必要とされていると思い込む自分の立場に安心を得ているのだ。
確かに代わりになることはできない位置というものはある。大輔にしてみれば、それは生まれたときから与えら得ていた「長男」という肩書だけであって、母親や父親、ましてや家政婦のポジションではない。けれど「長男」が故にに強いられてきたことに飲み込まれ、不平を唱えつつも、蓋を開けてみればそうやって頼ってもらえる自分でいたかった、頼られる場所にしがみ付いていたということなのだ。「俺がいなければ〜」や「俺じゃないと〜」という奢った言葉は、その実すべて自分の居場所に固執するがために出るのだな。人の好意に甘えることが怠惰的に感じてしまうのも、実際はそんな気持ちの表れのように思うのよね。
でも、人というのは頼って頼られて生きていくんだよ、と教えてくれたのが耕平。
ゲイであると認識している自分が、若さゆえに縋った儚いもののために過去にどんな過ちを犯したのかや自分と家族の在り方、人として大切なことなどを、直接的じゃない言葉で、諭すわけでもなく耕平自身の言葉や感じたことで、少しずつ大輔に考えるヒントを与えてくれる。それはまるで種を蒔いて、水をやり、太陽の光を浴びせてあげて…と四季を通しゆっくりと、でも着実に芽が出て花開き天に顔をあげてちゃんと笑えるようになるまで、大切に育んでいってくれる。振り回しているようで、ちゃんと大輔のことを見守ってくれる耕平。思いつきのようなドライブでさえも、痛いほどの優しさをもって大輔の閉ざして見えない心の叫びを聞きとっているんだよな。そしてそんな風には見せない身軽さを持って、自分の意思で歩くことの重要性、誰にでも平等に本当に目指したければその場所に行く権利があり、それは本当に簡単なことなんだということに気づかされるのだ。行かないのと行けないの違いなんて、結局自分の気持ち次第だっていうこと。学生時代に何もかもが敵に見えたあの頃の自分に、言って聞かせてやりたいわ(笑。 ホントなんだか身につまされるよ。
僅かな歩みでも、ちゃんと周囲と自分のポジションを見つけられるようになった大輔と、そんな彼を温かい目で見守り続けてくれた耕平。そんな二人の距離が泣けるくらいドキドキしてもどかしくて、でもとっても甘くて。
そんなやっと近づいた距離に登場するのが、学生時代に耕平が過ちを起こす原因になった相手。その登場により、また色々な思惑が錯綜する。けど、それはすべて互いの気持ちの名がはっきりと確証されることへの序章だったりするんだよなあ。この辺りの話の振り具合が、本当に絶妙。淡々と終わらせないで、ちゃんと登場人物たちをとことん悩ませてそれぞれの言葉で答えを出させようとするんだよね。もうそんな作者の手腕にはあっぱれとしか言いようがないよ。
エロ度は皆無ですが、そんじょそこらのBLよりもドキドキはします。多分、この大輔が持った青い季節の感情が、どんな人でも経験したことのあることに近いからでしょうね。年甲斐もなくこれ読むと、自分のファーストキスのときのことを走馬灯のように思い出しますもん(笑。 で、一緒になってドッキンドッキンしちゃう。ああ、自分もあのときこんな感じにめっちゃ緊張したようなあ〜とかね。苦笑。
あの当時、なけなしの頭をフル回転させては大人と張り合っていた自分と大輔がとってもリンクするんだよね。素直になりきれない我を張った精一杯の自分の居場所に、一生懸命にしがみ付いてたなあってさ。
この本はかなりオススメさせてくださいっ。
まさにティーンのときにしか体験できないPrecious Storyの傑作です〜!
4月も早いモンで、もう半ばまできてしまいました。気がつけばもうじきGWなんですよね…月日は吃驚するほど早く流れていってしまう今日この頃。折角なのでもうすぐ終わる春に引っ掛けたBLをひとつご紹介。
![]() | Spring has come! (新書館ディアプラス文庫) (2001/02) 月村 奎 商品詳細を見る |
ママも安心の月村本。胸キュンです。
高三にして一家の家事全般を請け負っている大輔は、家族のことを考えると東京へは行けないと地元の大学の推薦をもらったものの、もっと別の人生を選べたはずなのにという鬱屈を溜めていた。ところが駅前の商店街で小さな惣菜屋を営む耕平と出会ったことから…!?表題作のほか、耕平の店でバイトを始めた大輔のその後を描いた書き下ろし「春の嵐」を収録。曇りのち晴れ、恋の季節のTeenage Precious Story。
なんだろ……読んでいてずっとドキドキしてましたよ。すごく懐かしいような、それでいて新鮮で甘酸っぱくて、Long long ago(笑)に感じていたハズの弾む感情に近いかなあ。
高校生にして一家の主夫として家事全般を引き受けている大輔。離婚して出て行った母の代わりに自分を押し殺して妹弟、怪我をしている祖母、無口な父の世話をしているのね。「なんで俺ばかり」という思いを抱えながらも、その生活を手放すことはなかった。自由になりたい、けどなれない。そんなジレンマを持ち、家の呪縛から逃れられずに大学も地元推薦を早々に受けたりしちゃうんだね。
けど根底にある本当の根っこは違うんだよ。本気の思いさえあれば、東京の大学へ行くという選択肢は必ず存在した。それでもなお行かない、行けないという理由を見つけて結局自分で地元を選ぶ。その理由をすべて家族の縛りのせいにしちゃう。自分は家族の面倒をみなければならないから東京に行きたくてもいけない、行きたいけどいかないんだ的な、そんなネガティブさが鬱陶しいのよ。でもさ、そればっかりでもないと思うのよね。結局は17歳の大輔に、「大丈夫だから安心して東京へ行きなさい」と言ってくれる大人もいないという現実自体も問題なんだよね。
そんなある日、地元の商店街の総菜屋で出会った一人の男性・耕平。自分とは正反対なほどに陽気で社交的な耕平とぶつかり合いながらも、段々と本当の自分自身の心の中がクリアになっていくのだ。
すべてが自分の不幸の根源だともいうべきシニカル的な考えは、結構だれでも持つものだと思う。そうは考えながらも実際はそんな我慢を強いられているのは、そのポジションを自分以外では勤まらないという錯覚に甘んじているから。要は他人から必要とされていると思い込む自分の立場に安心を得ているのだ。
確かに代わりになることはできない位置というものはある。大輔にしてみれば、それは生まれたときから与えら得ていた「長男」という肩書だけであって、母親や父親、ましてや家政婦のポジションではない。けれど「長男」が故にに強いられてきたことに飲み込まれ、不平を唱えつつも、蓋を開けてみればそうやって頼ってもらえる自分でいたかった、頼られる場所にしがみ付いていたということなのだ。「俺がいなければ〜」や「俺じゃないと〜」という奢った言葉は、その実すべて自分の居場所に固執するがために出るのだな。人の好意に甘えることが怠惰的に感じてしまうのも、実際はそんな気持ちの表れのように思うのよね。
でも、人というのは頼って頼られて生きていくんだよ、と教えてくれたのが耕平。
ゲイであると認識している自分が、若さゆえに縋った儚いもののために過去にどんな過ちを犯したのかや自分と家族の在り方、人として大切なことなどを、直接的じゃない言葉で、諭すわけでもなく耕平自身の言葉や感じたことで、少しずつ大輔に考えるヒントを与えてくれる。それはまるで種を蒔いて、水をやり、太陽の光を浴びせてあげて…と四季を通しゆっくりと、でも着実に芽が出て花開き天に顔をあげてちゃんと笑えるようになるまで、大切に育んでいってくれる。振り回しているようで、ちゃんと大輔のことを見守ってくれる耕平。思いつきのようなドライブでさえも、痛いほどの優しさをもって大輔の閉ざして見えない心の叫びを聞きとっているんだよな。そしてそんな風には見せない身軽さを持って、自分の意思で歩くことの重要性、誰にでも平等に本当に目指したければその場所に行く権利があり、それは本当に簡単なことなんだということに気づかされるのだ。行かないのと行けないの違いなんて、結局自分の気持ち次第だっていうこと。学生時代に何もかもが敵に見えたあの頃の自分に、言って聞かせてやりたいわ(笑。 ホントなんだか身につまされるよ。
僅かな歩みでも、ちゃんと周囲と自分のポジションを見つけられるようになった大輔と、そんな彼を温かい目で見守り続けてくれた耕平。そんな二人の距離が泣けるくらいドキドキしてもどかしくて、でもとっても甘くて。
そんなやっと近づいた距離に登場するのが、学生時代に耕平が過ちを起こす原因になった相手。その登場により、また色々な思惑が錯綜する。けど、それはすべて互いの気持ちの名がはっきりと確証されることへの序章だったりするんだよなあ。この辺りの話の振り具合が、本当に絶妙。淡々と終わらせないで、ちゃんと登場人物たちをとことん悩ませてそれぞれの言葉で答えを出させようとするんだよね。もうそんな作者の手腕にはあっぱれとしか言いようがないよ。
エロ度は皆無ですが、そんじょそこらのBLよりもドキドキはします。多分、この大輔が持った青い季節の感情が、どんな人でも経験したことのあることに近いからでしょうね。年甲斐もなくこれ読むと、自分のファーストキスのときのことを走馬灯のように思い出しますもん(笑。 で、一緒になってドッキンドッキンしちゃう。ああ、自分もあのときこんな感じにめっちゃ緊張したようなあ〜とかね。苦笑。
あの当時、なけなしの頭をフル回転させては大人と張り合っていた自分と大輔がとってもリンクするんだよね。素直になりきれない我を張った精一杯の自分の居場所に、一生懸命にしがみ付いてたなあってさ。
この本はかなりオススメさせてくださいっ。
まさにティーンのときにしか体験できないPrecious Storyの傑作です〜!

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