本日は毎週毎週、真夜中に悶えさせてくれる「純ロマ」放送日ですが、いつもの面子で腐女子会開催日でもあります。飲んだくれて帰ってきて、果たしてあの時間まで起きていられるのかっ!?という多少の不安を抱きつつ、早く生ビールを飲みたいと考えている森です。
さてさて、前文まったく関係なくして只今絶賛はまり中の椎崎本です。
もうどっぷりはまった。暫くは続きそうな椎崎中毒(笑。
「中司さん、好きな人がいるんだって」お人好しな佑一と無愛想だけど女にもてる中司。学部も違えば、外見も性格も異なるふたりだが、周囲からは親友同士と認められていたし、お互い隣にいるのが当たり前になっていた。けれど、佑一が中司への気持ちを意識したときから、ふたりの間には見えないズレが生じた。あいつのこと、なんでも知っているつもりだったのに…なにも知らなかった…!?意識した瞬間、すべてが変わる―親友同士のすれ違いラブ・ストーリー。
こういった「親友」が「恋人」へと昇格するプロセスを題材とするのは、そらもうBLのみならず、どの世界でもお決まりの構図なんだけど、如何せん椎崎本はその辺りが余りにもナチュラルですんなりと受けに同化できる。
同化できるのはもちろん、そういったシチュエーションを少なからずも我が身を持って体験している読者が多いからでもあるのだが、だからこそこのテーマというのは当たり外れの振り子がデカいのも事実。ありきたりな題材が故に奇を衒う本もあるが、逆にそういったことをされると萌も萎えるというもの。かといって普通すぎては、なんの萌にも繋がらない。この辺の匙加減が抜群に上手いのが、この椎崎本だと言えよう。
昨日までは当たり前のように親友としてソバにいた相手に対して、突然と訳のわからぬ戸惑いを覚え始める。そんなことになってしまったのは、一体ナニが切欠だったのかすらアヤフヤになってしまうほどに「親友」に翻弄される自分がいる。常に穏やかで誰にでも優しい=優柔不断で八方美人的な性格を持つ佑一の驚きと困惑が、まるで自分のことのように伝わってくるので、その心情に名前が付けられないでいる佑一に取って代わり、読み手側が早い段階からドキドキと勝手にさせてくるのだから、その巧みな文脈運びと言葉のチョイスに感服する。
得てして、優柔不断や八方美人だというイライラとさせられるような性格の佑一だが、天体が好きだという要素を加えることによって、マイナスに働きそうなその要因を局面によってはプラスに為り得る有効な投石となっている。
勘違いしてほしくないのだが、その表現がコト細かく書かれているのかと言えば、決してそうではない。そうではないのに、見事に伝わってくる。間接的でも直接的でも、ましてや叙情的に伝えてるわけでもないのに、
佑一のセリフやその行動表現一つ一つによって、どれほどの戸惑いがあるのかが理解できるし、しかもそれを自分の感情へとリンクさせることができるのだ。なのでこちらとしては、
必然的に一文字も逃すまいとして文章を追っかけるカタチとなり、話の中へとのめり込まざるを得ない状況をいつの間にか作らされているのだからすごい。
佑一とは正反対な性格として位置づけられる中司。必要なこと意外は話さないというスタンスで、何を考えているのかわからないクールガイとして表現されている。一方の佑一も穏やかだがシナヤカ過ぎる性格故に、本当は何を考えているのかわからず相手に不安を持たせる要素がある。そんな2人の表面上は対極であるのに同等な要素を持つ性格により、親友なのに互いのことは実は何も知らない、知ろうとしない事実が周囲のサブキャラによって明るみになり、大きなすれ違いが必然として持ち上がる。その時点で、やっと佑一が自分の中司に対する名前の付かなかった感情を初めて恋情と認識するのだが、受け視点で進む話の中で、すでに早い段階からシンクロしている読み手側は話の流れのまま中司への想いに切なくなり悲しくもなっていくのだ。
佑一の自己分析に近い悩みや葛藤の言葉は、決して大袈裟なもので象られていない。それでは安直かと思うが、それでもない。丁寧だが丁寧すぎず、悩めるところは悩み、放棄する部分は読み手も納得する範囲で投げる、とまさに
こちらの心情を図ったような切なさをキープさせる手腕がものの見事にはまっている。切ない2人のすれ違いも、結局溢れる想いを言葉や行動にすることによって成就するのだが、それに到る過程も特別凝った作りでないのに読み手の感情を高ぶらせる。いや、凝っていないからこそすんなりと入り込めて納得できるものになったに他ならない。
確かに箇所箇所には、物足りなさを感じる部分もあるし、そんな単純なことなのかと思う場面もある。けど、それを差し引いてもここまでウマが合う作家さんもいないので、これはもう私的には大好きだと言うしかない。
にしても、これはもう自分に合ってるんだろうなあ、リズムが。ずっと文章をちゃんと追って読んでるもの(笑。しかも気に入ったフレーズやら言葉やらが出てくるから、余計に琴線に触れるんだよね〜。正直、普通といえば普通なんですよ、椎崎本。特別うりゃあっ!と盛り上がるわけでもなく、とんでもなく驚かされることもないの。だからなんてことはないって思う人も少なくないと思うよ。まあそれでも、自分が気に入って読んでるので、出来れば一緒に気に入ってもらえれば嬉しいけどね。でもこればっかりは嗜好の問題なので致し方なしということで(笑。