津軽三味線、結構好きです。単体での演奏はメディアを通してでしか聴いたことないのですが、それでもその迫力には圧倒されてしまいました。
ちなみに津軽三味線の演奏者で吉田兄弟って知ってます?この人たちが、私の好きなMONKEY MAJIK のアルバム
「空はまるで」の中に入っている「Change」という曲を競演したものがあって、超クールでしたわ〜。機会があればぜひ聴いてみてください!
なんだか厳格なイメージの三味線も、BLファンタジーにかかるとこんなエロい表紙に…
天才的な津軽三味線の技と音色…加々美達央(かがみたつお)は無名の若手三味線奏者だ。地方の大会での達央の演奏に、青年実業家の浅井祐司(あさいゆうじ)は一瞬で虜に! その稀有な才能に心を囚われ、「君を必ず檜舞台に立たせる」とスポンサーを名乗り出る。成り行きで同居を申し出た浅井は、恋人にするような優しさで達央に接してくる。ところが、浅井を独占する達央を妬むライバルが現れて…
よもやBLで三味線の世界を見ることになるとは思いも寄らなかったですね。ついにここまできたか〜というなぜか感慨深いものがあったんですけど(笑。 結構出尽くした感があるBLの世界ですが、まだまだあったんだなあと実感です。
この達央の達観したようで、その実かなり世間ずれしたような性格が、ものすごくこのストーリーにマッチしてましたね。その掴みどこのないような性格でありながら、人の心を有無を言わさず捕らえてしまうような強さは、孤高な津軽三味線の演奏者というバックヤードを持ってしてかなりその人格に説得力が生まれてる。
生まれたたての雛のような刷り込みを彷彿させつつも、運命付けられたが如く三味線に傾倒し師匠の教えを大切にしながらも、変化していく環境に懸命に流されぬように自分自身を僅かながらも変えていこうとする。その芯に通った強さが、天才三味線奏者に反映されていたように思う。
夜光花本らしい若干仄暗い雰囲気を醸し出す空気と、攻めから惚れこまれる受けの存在は健在ですが、そんな中でもこの作品は、受けの達央が持って生まれた人柄が引き付ける人徳によって出来る周囲との触れ合いが非常にいい具合に落とされていて、物語に生じる不幸(事件)との明暗ラインをよりくっきりと浮き出してくれてるのね。
攻めの浅井がとても紳士的で、受けの達央が考えられないくらいに純粋でまっさらな青年。時代背景こそ現代だけどこの2人の会話だけ浮き出せば、それこそ古きよき時代の話のようです(笑。
初めは浅井の想いに対しても、受け入れることの出来なかった達央だったけど、自分が兄のような慕いだと思い込んでいたその感情が実は浅井と同じものだと気がついたとき、激しく動揺をし感情が高ぶる。でも瞬間自分が拒絶したことに落胆する。そんな心の葛藤が浅井に対する当て馬的存在を持ってきて表現してるんだけど、その辺りが自己完結になりがちなところを対比する相手を目の当たりにさせることにより、はっきりと読み手にその感情の落差にリアリティを感じさせる展開にしてくれてるのはさすが夜光花本。より暗い気持ちを煽ってくれるのがなんとも上手い。
浅井が一目惚れをするのがわかるってくらいに、受けの達央は良い子です(笑。 浅井は達央のすべてを尊重しながら影日向となりながらバックアップしてくれている。その受けに対する溺愛っぷりは、なんとも言えずに微笑ましい。けど、やっと相思相愛になるラストでは、あんなに紳士的な浅井があっさりオヤジのような発言をしちゃうんだから、笑ってしまったよ〜あのセリフ、28歳で言っちゃうんだからなあ〜(笑。
ほんのちょっぴりビターな展開が入ってますが、それは隠し味程度になってますね。概ねは浅井と達央のピュアなラブストーリーという展開です。余りにも達央が純粋すぎて時々違和感があったりするのですが、浅井との恋愛や三味線を通して人間的な強さを知らしめてくれるので逆にそのギャップが面白かったり。
今まで読んだ夜光花本の中では、一番穢れなきピュアラブだったような気がする。腐腐。面白かった!あと、三味線を改めて聴いてみたいとか感じちゃいましたね。単純っすけど(笑。
コメントを投稿