いやあ、昨晩は久しぶりに腐女子会でございました。うーん、飲んだなあ。イタ飯屋さんで美味しく楽しく怪しく弾けてきましたよ(笑。 約束事のように毎月毎月遊んでくれるT女史、Nさんありがと〜!!
……で、約束つながり(笑)でこちらはどうですかね。
かなり無理やりな展開で紹介ですが、本の方はそんなことないのでご安心を。
中沢千波には忘れられない人がいる。親友の榊晴一に告白され一度だけ身体を重ねた高3の夏。幸せだったその日に起きたある事件をきっかけに、千波は晴一との約束を破ってしまう。晴一との連絡が途絶えて8年、千波は晴一のことを想い続けていた。そんなある日、千波の勤める小学校に晴一が現れる。晴一と過ごすたび、千波の恋心は強くなり…。
この受けの千波は、本当にすべてにおいて受身なのです。それは優しいとか相手を慮ることとか、そういうすべてのことにおいて如才がない上に成り立っている性質。「ことなかれ主義」 といったら言いすぎですが、得てしてこの受身であるが故に激しい感情の起伏が乏しい。しかし、それを唯一変化をもたらしてくれる人物が、晴一だったんですね。彼を恋しい、大切だ、愛しいという情だけが、千波の心に起伏をもたらしてくれていた。互いに想いあっていたにも関わらず、若い2人は世間の荒波には勝てなかった。実際にその決断をしてしまったのは千波サイドなわけだけど、それが8年前の約束をさすのね。けど当時、まだ始まったばかりの2人の恋心に不本意な周囲の水差しで、簡単に踏ん切りがつくわけがない。家の思惑で約束を反故にするしかなかった千波の、清らかで尊い恋情は、結局さらなる強いつながりを求めて心に重く圧し掛かってくることになる。
千波本人にそんな気はなくても、自然と晴一に操を立て続けていたという事実も、なんだか切ない。気がついたらそうだったと言うカンジで語られるんだけど、そんなにも深い愛情を持った相手だってわかってるのに、なんで自ら動かないのっ!と、非常にもどかしい感情に捕らわれる。全てにおいて受身である千波にとって、自分で血眼になって探すということは決してしない。でも文脈から滲み出る千波の人柄からその根底になるのは、全部晴一に対する愛情なんだってわかるのね。要は、一切の連絡を絶った時の、晴一の思惑を汲み取るんだよね。8年前に破った約束に対して、そこで千波を断ち切ろうとしたと考えるんだよ。千波はこの場所から動くことが出来ないと知っているからこその行動に、募る想いを抱きながらも反面そうやって諦めようと考える。で、その逆もありきなんだよ。千波がこの場所から離れることはないとわかってるからこそ、万に一つ、まだ自分を想っていくれているのなら、晴一のほうから会いにきてくれると考える。
……ホント、徹底的に受身なんですよ、千波は(笑。
結果、突然と姿を表した晴一に、自分の気持ちが8年前と何も変わらないことに気がつかされる千波。でも、昔とまったく変わらぬ態度をする晴一に、ここへ戻ってきた真意を図りかねる。もしかしたら、想い続けてるのは自分だけだったんじゃないかとか、色々と危惧するんだけど、そんな千波の心の葛藤がシンクロしてきて苦しくなるのよ。でもさ、ちょっとしたことで一喜一憂する千波が、本当に可愛くて、切なくて、想いを伝えないもどかしさが歯がゆい。
田舎の旧家であるか故に、色々と縛りを受け続けてきた千波。8年経ってやっと互いの思いが実るときがくるのだけど、簡単に「家」は拘束を弛めてはくれない。犠牲の上に成り立たせようとする家の呪縛に、今までは「受身」であるが故にすべての答えを完結させていたけど、やっと自分の得たい真実に手を伸ばそうと初めて能動的になるのね。やっぱりその機動力の源は、今も昔も晴一だけだったというわけなんだけど(笑。
8年目にしてやっと約束を守ることができる二人。やっと自分で見つけて手に入れることができた千波が、本当に幸せなんだと読みながら泣けてくるのよ。本当に欲しいものは自分で動かなきゃダメだと、8年目にしてやっと気がつけた幸福を、晴一と一緒にかみ締めて生きていってほしいな。うん。
受身なんだけど、芯の強い千波と、どこまでも男らしく真っ直ぐな晴一。今も昔も全く変わらない2人だからこそ、年月を超越したところで繋がってたんだと思う。犠牲の上に成り立つ幸福を避けて、ちゃんと素直に自分の進む道を家族に打ち明けた千波を見ると、
本気の素直って強いよなって感じる。
まさにBLファンタジーなんだけど、しっとりと感涙を呼びます。ジワジワと侵食されるようにストーリーに浸れるので、世間の荒波に荒んでしまった心を癒してくれるのでは?(笑。

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