惑溺趣味 / 明治カナ子
07 04, 2009 | Posted in BLコミック作家 *ま行 明治カナ子 | Thema アニメ・コミック » ボーイズラブ
4 Comments![]() | 惑溺趣味 (バンブー・コミックス REIJIN Selection) (2009/06/27) 明治 カナ子 商品詳細を見る |
久しぶり、明治本新刊。相変わらず期待を裏切らない濃密さをプンプンと匂わせて登場。
惑溺って…惑溺って……
カバー下も面白いことになってますし、描き下ろしのあとがきも面白いことになってます(笑。
そういえば。
全然関係ないけれど、やっと「デゴイ&交渉人」小冊子が届きましたねー。いやあ実に読み応えばっちりで、なんだかムラムラ(笑)しましたよ。何気に両作がリンクしてるのもよかったし。
これは家宝になること間違いなしといった素敵な小冊子でしたわ。いやあ待ってた甲斐があったというもんです。でもなんとなく交渉人の話は切ない気分になったわ〜
資産家と愛人契約を結んだ苦学生の僕。ふたりの間にあるのはお金・それとも―。
圧倒的な感性で魅せる明治カナ子の軌跡を辿る傑作読みきり6作品と描き下ろしを収録した麗人初コミックス!
恋愛という感情の中にある光と影を、独特の世界を持って描いてくれる明治本。今回もその対極でありながらも映し出される光と闇を拾いながら6本の短編が収録。しかも意外なことに麗人初コミクスなんだとか。てっきり明治先生なら出してそうだったけど、これは勝手な思い込みだったみたい。
ノスタルジックと簡素なロココ調が融合したような明治本の世界は、所謂万人が愛でるような色彩を取り入れず、何か一滴混ぜたような独特な風合いを持っている。けれどそれは単なる暗さだけのものでなく、思わずその画に触れたくなるような温かさを醸し出しどこかで見たような原風景を思い起こさせ、そのギャップに何となくザワザワと腹の奥が落ち着かない気分になってくる。いわずもがな、作品もまさにそれに尽きる。
「惑溺趣味」「詮索趣味」
資産家オヤジと学生の愛人くん。
このタイトル、本当にいいな。上手い。「惑溺」なんて言葉をよく選んだなあと、変なところを感心してしまったという(笑。 字面だけみると、なんだかとてもいけない言葉のような気分になれるお得な熟語。まあ意味もそんな感じだけどね。って、カバー下読んだらそのタイトル付けの経緯が書いてあってズッコけた(笑。
始まりはやきっかけがアレだと、その後に派生する恋愛感情の噴出し口を間違えたくないと必要以上に臆病になる。けど、実は相手も…だったり(笑。 にしても、おっさんは色々と見栄っ張りだしメンテナンス代が若者よりもかかるという事実。
「ニグマの襟足」
もと同級生同士。
最初、この「ニグマ」を勝手に「マグマ」と読んでいて話が繋がらず「?」となっていたという。いやあ脳の勝手な思い込みって如何なものか。勝手な思い込みをしたのは、このニグマも然りだけどさ。人間、浅慮な行動は慎もう。にしてもニグマとは凄い名字だな。
「こんこん」
教授と助手。
近未来?SF?とにかく凄い設定なのに、その方法は非常にアナグロなのが明治流。まあ得てして事実はそんなものかもね。設定は凄いけど、ストーリーは教授の乙女心満載だという。おっさん可愛いよ。そして明治本の眼鏡攻めはホンノリ鬼畜。どうしてあんなのがいいんだ!先生!!それにしても、あの鍼灸師の顔が何よりも恐い。
「ベス前編」「ベス後編」
寂しい中年と寂しい若者。
これもファンタジーといえばファンタジー。人も動物も一途な想いは念となり、きっと誰に気付かれることなく未来永劫「そこ」にあるものなんだろう。ただ時として、神さまは思いがけないことをするらしい。それが果たして幸福だと言えるものなのか、そうではないのかは深く考えてはいけないのかもね。ただ「そこ」にいることがすべてなのかも。それが狂っているとか幻想だとか、考えたらきっと「そこ」にある幸福は霧散してしまうのかも。ちょっと複雑な気分。
「光る道」
幼馴染。
これは遣る瀬無さ過ぎる。過去は過去であって二度とやり直せない。 何も知らなかったことは罪ではないけれど、悲しい疵となって心に刻まれる。子供の無力さと聡明さが際立ち本当に辛く悲しく憤る作品。どうか彼の未来が光り射す道であって欲しい。それが無知な子供の勝手な願いであり、人間としての罪悪感であったとしてもその純粋な想いは届いて欲しい。
一番古い作品は2002年だというけれど、全然絵柄が変わってない!それがまた嬉しい(笑。 絵師さんの絵柄って昔と今とじゃかなり違う人が多い中でこれは大変凄いなあと思ってしまうま。明治先生ご本人は、昔と今とじゃまったく絵柄が変わりすぎちゃって…とあとがきに書いてたけど、私、わからんかったよ。っていうかその逆の感想を持ってしまったんですけど…と最後になって少し居た堪れない気分に(笑。 ま、いっか〜
兎にも角にも、明治ワールドが存分に堪能できる短編集に大満足っす!












