年の暮れにきて、初の英田サキ作品となりました。
そしてこの押し迫った時期に、我が心の師匠、T女史はすっ転んで手にヒビをいれてしまいました。苦笑。そんな中、この作品を貸してくださったのには、なにか深い意味が…ないですね。
うーん。まさにBLタイトルです。大好きなヤマダサクラコ先生のイラストだけで十分萌えなのでいいですけど。
T女史は痛々しいお姿で「これ本当に好きだわー」と頬を染めておっしゃってました。
…女史。早く直してね。
人生なんて一寸先は闇―飲み過ぎたある夜背中に天使の刺青を背負うヤクザ四方と一夜の過ちを犯してしまったらしい柚木は、それ以来しつこく迫られ肉体関係を強要されるようになってしまう。その上会社からはリストラを宣告され妻には家出されて…。純情ヤクザ×中年リーマンの奇妙な関係の行方は。
色々なブログさまで、英田作品はノリに乗ってると書かれているのをよく目にします。
あまりにも前評判がよいと、どうかなとも思ってましたけど、こればかりは人の好みの問題になると思うのでしょうがないですよね。
BLではかなり好まれる設定です。
まじめなやくざ・四方と人生からオチコボレそうなリーマン・柚木のお話です。
かなり人生から落ちこぼれかけているダメリーマンの柚木が、深酒の勢いでその場で意気投合したらしいヤクザの四方と一晩の過ちをおかし、そして2週間付き合うという約束をしてしまうのです。
何事にもやる気を見せず、嫌なことや面倒なことから目を背け続けてきた柚木にとってこの出来事は、すべて自分以外のもののせいにすることで、逃れようとする。
一方の四方は、そのときの柚木の言葉を信じ一途に柚木に想いを寄せるのです。
鬱陶しいと思いながらも、四方の純粋で真っ直ぐな陰りのない気持ちに少しずつ、ホンノ少しずつですが、柚木の中で何かが動かされていく。
そんな中で四方の生い立ち、なぜ2週間限定なのかというのがわかってくるのですが。
劇的な心情の変化なんて、実際にはあまりおきることはなく、このお話のようにゆっくりと何かが積み重なっていってそれがある程度満たされて、零れて、初めてそのことに自分が気がつくのだと思うのです。
まさに柚木の心情が四方にゆっくりとオチテイク過程が書かれています。
四方がなぜあんなにも無表情なのか。なぜ2週間だけなのか。
シアワセを知らないという。愛される喜びを知らない。一緒にいて嬉しいという気持ちを知らない。自分の居場所を知らない。
そんな四方が柚木という男によって、やっとそのすべてを知ることができるのです。
柚木も何も出来ない駄目な人間だと思っていた自分が、こんなにも一人の人間に必要とされることに喜びを感じる。
一人では欠けていた人間としての何かを、互いを愛することによって、初めて補うことができた。そしてその喜びを2人で一緒に味わうことが出来たのです。
英田作品は初めてでしたが、なるほど、人気作家さんだけありますね。(えらそうですみません)
ソツのない文章運びで、無駄が無いのに必要な表現は十分にちりばめている。
一文の区切りが短くないので、私としては好きですね。
やたらと一文の区切りが短い作家さんが多いですが、それはその人の「味」なのでそれはかまわないのですが、個人的にはこちらの方が性にあってます。
ヤクザものは基本的にあまり好きではないですが、BLファンタジーのフィルターにかかったもの限定で好きになれそうです。苦笑。